書庫3

暖房の独白にて綴ってきた雑感雑記 



二人と一匹

雑感雑記
 そぼ降る雨が時折強くなりながら町を包み、遠く先の景色が霞んで見える。
雨の音は何故か町を静かにして、まるで音が音を消すように静めている。
義理の娘が帰った後の我が家は妙に広く、あれだけ賑やかだった声が無い。
残された二人と一匹は何時もの生活を取り戻し、欠けた何かを感じている。
家族というものはいいものだな、と今更ながらに思いながら私は町を行く。
何時も行く道には真っ白い雌の野良猫がいて、何時も大抵仔猫を連れている。
産んでは育て、産んでは育て、そうして我が子を増やしているのが愛おしい。
今日も仔猫を連れていて、私が近づくとはーっと脅す声を立てて威嚇した。
横の仔猫はとても小さく、よちよちとしていて思わず抱き上げたくなる程だ。
大変だけれど一緒に生きる事に意味がある、そんな事を感じて孤独になった。
今頃は普段の生活に戻っているであろう義理の娘の事を想い、可愛いと思う。
居ると煩いが居ないと寂しい、きっと家族ってそんなものだという気がする。
野良猫の仔が良く育てばいいな、と思いながら私はその場を通り過ぎた。
 親になって初めて一人前、という台詞があって、その意味に於いては私はきっと永遠に半人前で、永遠に足りなくて、永遠に孤独を噛み締めなくてはならない。
けれど妻と猫という家族が今の私にはあって、それがとても救いになっている。
二人と一匹という形が今の私にとっての大切な家族であり、生きる友でもある。
実の子はいないけれど、授からなかったものはどうしようもなく、如何ともし難い。
義理の娘や息子に対していざという時には守ってやろうと思うのは私の一方的な想いなのであって、けれどそれは通じ合うものではない事は分かっている。
お母さんの旦那、という自分の置かれた立場というものはもどかしいものだ。
だがせめてもの僅かな愛情を持つのは半分以上が本能的なもののようで、何時の間にか私だけが本当の家族になったような気でいて、それでいて遠い距離はなかなか埋まるものではなく、しかし気持は抑えられないのが今の私なのだ。
 時々他人の赤ちゃんが羨ましくて、思わず抱っこされている顔を覗き込む。
私には八歳下の妹がいて、小さい時に面倒を見たのをはっきりと憶えている。
寝かしつけたり遊んだりして、妹も何時も私の事を頼りにしてくれたものだった。
赤ちゃんを見るとそんな事が想い出されて、急に自分の子供が欲しくなる。
 ただいま、お帰り、という何時もの言葉の遣り取りと、甘えて擦り寄って鳴く猫。
今はこんな家族で暮らしていて、きっと人生の中には子供ができるような違う岐路もあったのだろうが、しかし現状に私は充分満足していながらも、どこかで子供を欲しているのは我儘というものだと分かっていて、矛盾を抱えて生きている。
子供の代りに猫を抱っこしてあやし、一緒に遊び、撫ぜながら手入れをする。
妻もそうする事によって猫は二人の子供のようになり、実際そんな存在になる。
二人と一匹はそんな生活をし、まるで本当の親子のように暮らしている。



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fayway | 2007/10/27 17:15
暖房さん、はじめまして。
大変遅れましたが、B.P.へのレビューありがとうございました。嬉しかったです。

>・・・その意味に於いては私はきっと永遠に半人前で、永遠に足りなくて、永遠に孤独を噛み締めなくてはならない。
よく分かる気がします。我家も二人。子供のいる友人にはいつも、「その方が気楽でいい」と言われます。
でも、母として多忙ながら輝いてる友人を見ると
自分に欠けるものを、思い知らされるようで、この溝は永遠に平行線なんだなと。
でも、暖房さん宅の猫ちゃんは幸せですね♪
ありしあ | 2007/10/27 20:06
ユーザーレビューを頂きましてありがとうございました。ユーザーレビューの存在すら知らなかったし、ランキングにも縁が無く、のんびりペースで更新しているものですから、びっくりしました。

BlogPeopleの使い方もあまり知らないので、暖房さまの「BlogPeopleの歩き方」を見て勉強しようかと思っています。

私にも子供がまだいませんので、甥や姪がカワイイという気持ちがよく分かります。
暖房 | 2007/10/27 23:12
 fayway さん、初めまして。
とんでもないです、あんな稚拙なもの、恥ずかしい限りです。
 「この溝は永遠に平行線なんだな」というお気持、よく分かります。
だからまあ、うちの猫は子供のつもりごっこなのかも知れません。
けれどそれでも癒されますし、少し幸せです。

 ありしあ さん、驚かせてすいません。
今年になってレビューが始まったのでさっそく利用している所です。
「BlogPeopleの歩き方」が少しでも役立てば幸いです。
 甥や姪が可愛いという気持は本当にすぐ遠くなってしまう愛しさでもあり、別れた後には少しの寂しさが残りますよね。
特に帰った後の片付けなんかしている時など。
モグミ | 2007/10/28 21:35
初めまして暖房さん。
レビューありがとうございました。
大好きな猫さんの写真を撮ってただ並べているだけのブログですが、初めて応援メッセージをいただけて感激しています。

「BlogPeopleの歩き方」参考にさせてくださいね。
どうぞ、これからもよろしくお願いします。
暖房 | 2007/10/29 23:59
 こちらこそ宜しくお願いしますね。
それにしてもどの写真もナイスショットで、眺めているだけで癒されます。
更なる新しい猫との出会いを願っています。